華10
時は過ぎ、初夏の五月。
山南の一件から、早三ヶ月が過ぎる。
新撰組は、幕府医学所頭取松本良順を専属の医師とした。
松本は、後の明治の時代に多くの名を残した。
沖田の赤い不治の病を明らかにしたのも、名医とも呼ばれた松本だった。
当時、不治の病とも呼ばれた結核は、労咳とも呼ばれ特効薬がなく多くのものがこれによってなくなっていた。
それを悲痛の面持ちで松本は、沖田へと告げる。
だが、それは、すでに知っていたこと。
「お医者さんって、つらい仕事ですよね。」
「ごめんなさい。貴方にそんな思いをさせてしまって・・・。」
悲しむわけでもなく自分の体を気を使うよりも、それに対して胸を痛める松本に謝罪の言葉を述べる。
沖田もと同様に他人に優しすぎるのだ。
思いをすべて押し込めたような顔をして松本の側を離れていく沖田。
別れ際に、何かをぽつりと言うが松本の耳には届かずにいた。
「あの人も・・・、私の体のこと気付いていたんでしょうかねぇ・・・?やっぱり・・・。」
空を見上げる沖田の顔は、どこか悲しげであった。
遠くを見つめるその瞳は、切なく恋しいとでもいうようであった。
***
屯所に行かなくなって、半年以上が過ぎた頃。
は仕事中なのにも関わらず、心ここにあらずっと言った顔をしため息を吐く。
そんなを見かねて、逆に元気付けようと話しかける患者も少なくはなかった。
「どないしはったん?姉ぇはんらしくもあらへんよ・・・。今年に入ってから変やでぇ・・・?」
下を向きがちなを心配して覗き込んでくる歳の離れた友人である佳代。
「ん?そんなことないわよ。いつもと同じよ。」
にっこりと微笑んでみるが、どこか弱弱しい笑みになる。
「せやけど、ず〜っとため息ばっかりついとる。」
眉を寄せて、首を傾げる佳代には隠し通せずに苦笑いを浮かべる。
「なぁ〜?もしかして、あの噂って本当やったん?」
佳代は、自分の周りの大人たちが口々に言っていたこと思い出して、の塞ぎこんでいる原因の可能性高いであろうことを問いただしてみた。
「噂?」
「うん。姉ぇはんに好きな人が出来たんやないかって。それが、新撰組の誰かやって噂。」
「そんなっ!そんなの沖田さんに、迷惑がっ・・・・ぇっ!」
咄嗟に沖田の顔が浮かび名前を口に出してしまったことに、自身が驚いた。
「姉ぇはんの好きな人って沖田はんのことやったの?」
悪巧みを考えた時のような笑みを浮かべながら、確信を付くように迫る佳代。
「べ・べっ別に好きとかそんなんじゃないもの。ただ、ただ・・・心配なだけよ。元は、此処に通ってたんだし、身体のほうも万全ってわけでもみたいだし・・・。」
「あらぁ〜、そんなに気を病むほど、好きなんやね?沖田はんのこと。」
「だから、好きなんじゃなくて、父上の患者として心配してるの!」
年下の・・・佳代の言葉に、むきになって否定する。
それは、まるで自分自身に言い聞かすように・・・。
「ねぇ?姉ぇはん・・・。無理せんでんもええやないの?それとも、気づいてないだけやの?そうやって、むきになってると肯定してるみたいやよ?」
佳代の言葉は、すべての核心を突いてくる。
こんな小さな子供にまで、見透かされるほど、の沖田に対する思いは大きくなっていたのだ。
そんな思いを気づかずに認めようとせず、押し隠してその思いを忘れようとしていた。
「加賀屋のお譲ちゃん・・・。お迎えじゃ。」
「先生ぇ?」
「。今日は、もお、手伝わなくともよい。部屋にもどっておれ。」
が、佳代の迎えを告げに来たこで、沖田の話に腰を折ることが出来たものの。
なぜだか・・・・、
「えっ?まだ、皆さんいらっしゃるのに?」
の助け舟に、小さく返事を返しその場を脱げるように去る。
「お前さんも、あの子が心配なのはわかるが、あまりいじめてやるな。」
「別に、いじめてるつもりなんてありまへんよ?ただ、あんな姉ぇはん見てとうないんやもの。」
「あれもあれで、考えるとこもあるんじゃよ。答えは、自分で見つけ出さなくてはならんのじゃよ」
己の事のように、思いつめたような面持ちでの背中を見つめる二人。
短っ!!久しぶりなのに、短ッ!!
眠っていたもの引き出してみました。
お待ちいただきました方々、大変お待たせいたしました。
なのに、この短さ・・・・・・(すいません!!!土下座でもなんでも致します!!)
その上、総司との絡みまったくない・・・・。
そんでもって、京弁わかりません!!
見よう見まねでございます!!
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